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愛知総合工科高校の課題研究に参加〜機械制御科〜

連携教育を行っている愛知総合工科高校には、「課題研究」という時間があります。これは、工業に関する課題を設定し、専門的な学習を進める時間で、名古屋聾学校高等部の3年生も今年度は動画研究班に参加しています。

先日、研究発表班から体験の誘いを受け、研究に参加させていただきました。連携教育に着目し、名聾生の生活の不便さを少しでも解消するために、課題研究で旋盤のゼロ点合わせを視覚化する装置を製作したそうです。

ゼロ点合わせを視覚化できる装置です。ゼロ点合わせができると、白い装置にある赤いランプがつきます。

旋盤は、材料の不要な部分を刃物で削り取るための工作機械です。
100分の2ミリという精密な加工を行うため、材料を削り始める刃物の接触点を正確に合わせることが重要です。
この接触点を合わせる作業を「ゼロ点合わせ」といいます。

通常、ゼロ点合わせは、材料にできる刃物の傷や、刃が当たる際のかすかな音を頼りに行います。
これまで名聾生たちは、材料につく傷や、刃が当たったときの微かな衝撃を頼りにゼロ点合わせを行ってきました。しかし、より正確なゼロ点合わせを目指して、愛知総合工科高校の課題研究でこの問題が取り上げられました。

当初、材料を直接見ながらゼロ点合わせをすることに慣れていた名聾生たちは、装置を使うことに戸惑い、少し緊張している様子も見受けられました。しかし、徐々に装置の使い方に慣れ、視線がランプへと移る場面が増えてきました。

手元にある装置のランプを見ながら、刃物を材料に近づけていきます。

愛知総合工科高校では、これまでも名聾生の学生生活が充実するよう、さまざまな面でサポートをしていただいています。今回の研究も、共に学ぶ名聾生の困りごとを解決したいという、生徒さんたちの思いやりが伝わる貴重な体験となりました。

今後、装置を使ったときの精度と使わなかったときの精度を比較し、さらに研究を進めていくそうです。名聾生たちも、愛知総合工科高校の生徒さんたちから刺激を受け、今後も学習意欲を高めていけることを願っています。